Vessel
作詞:VALSHE
編曲:G'n-
合聲:VALSHE & To-Lie
唄:VALSHE
君(きみ)にとってはくだらない「仮説(ごく)」を語(かた)り草臥(くたび)れる影(かげ)
囃(はや)す瞳(ひとみ)には映(うつ)らない すり抜(ぬ)けた網状(もうじょう)の鞘(さや)で
「見(み)えぬなら踏(ふ)みつけても 誰(だれ)の心(こころ)も痛(いた)まない!」
抗(あらが)いもしない人(ひと)を 捲(めく)して笑(わら)ったのは誰(だれ)?
宵(よい)に惑(まど)うほどの童子(わらべ)にもなれず、非情(ひじょう)にも生(い)きれない。
今(いま)に手折(たお)れる城郭(じょうかく)も彼(かれ)の正義(せいぎ)なら 絶(た)えずと、貫(つらぬ)くだろう。
月(つき)を飾(かざ)り知(し)れた人(ひと)の敗色(はいしょく)に 懐(なつ)かしむ面影(おもかげ)を
全(すべ)て奪(うば)い尽(つ)くした頃(ころ) 失(な)くした縁(えにし)を探(さが)せど、今(いま)さらで。
いつの夜(よる)からかくだらない「仮説(ごく)」を語(かた)る事(こと)も無(な)くなり
呼吸(こきゅう)さえも忘(わす)れて 思(おも)い上(あ)がる者(もの)に刃(は)を向(む)け
我先(われさき)と沈(しず)みかけた 脆(もろ)き小舟(こぶね)を降(お)りたがり
誇(ほこ)らかに行(い)く往来(おうらい)で 追想(ついそう)に憂(うれ)うのは何故(なぜ)?
誰(だ)そ彼(かれ)に置(お)き忘(わす)れていた種々(しゅじゅ)の音(おと)が、空蝉(うつせみ)に芽吹(めぶ)くように。
過去(かこ)に慰(なぐさ)みを探(さが)して写(うつ)し絵(え)を抱(だ)けば 誰(だれ)もが、愚(おろ)かになる。
手(て)を繋(つな)ぐ迄(まで)で途切(とぎ)れていた記憶(きおく)は 疵付(きずつ)かない狡(ずる)さで
何(なに)ひとつ戻(もど)らないなら 幾重(いくえ)の波折(なお)りよ残(のこ)らずも、攫(さら)って。
誰(だれ)しも本心(ことば)もなく 面(めん)を片手(かたて)に探(さぐ)り合(あ)い
訝(いぶか)るも待(ま)ち遠(どお)しと 愛(いと)しくあろうとした。
…それだけ?
はらり はらり落(お)ちて行(い)こうわくら葉(は)に、願(ねが)い事戯(ごとたわむ)れて。
今(いま)は辿(たど)れない大空(おおぞら)に放(はな)つ鳥(とり)となれ 憧(あこが)れ、朽(く)ちてゆくなら。
末尾(まつび)まで切(き)り取(と)った場面(ばめん)には 「僕(ぼく)」に似(に)た面影(おもかげ)と
喜劇(きげき)を許(ゆる)し寄(よ)り添(そ)った影法師(かげぼうし)ふたつ 見果(みは)てぬ、人(ひと)の夢(たね)。
世(よ)の器(うつわ)に 咲(さ)かせた