上がり下がり
白昼夢に気が触れる
その全てを誰某が愛と呼んだ
知らない声が君の耳を汚すから
心臓のそばチクリ
棘が刺さるようだ
誰かに邪魔されないように
鍵はかけておこう
愛するとか愛されるとか
僕には少し重すぎたから
この両手に君の明日を
閉じ込めたくて首を掴んだ
優しい人を知りたくてメスを入れた
君のことを知りたくてメスを入れた
白衣を着た誰某が「ボク」を詰る
いい子なのに痛い
お薬は厭だよ
「貴方の世界はこんなに
壊れていたんだよ」
嘘じゃないさ嘘じゃないのさ
同じ景色を見ていたくて
君の右目僕の左目
取り替え終わるまでそばにいて
嫌がる声君の泣き声
集めて繋いで耳を塞ぐ
「ボク」以外に聽かれないように
君の唇に鍵をかけた
上がり下がり白昼夢に気が触れる
その全てを僕はまた愛と呼んだ